ADHDの日課

19歳〜。苦手な日課です。ADHD(手帳は二級) 名前欅 流了リ(けやき

守られている。

誰も足を踏み入れていない雪の上を歩く時、
自分は歩く存在であると感じた。

真新しい雪道に足を踏み降ろした時、
自分には足があり、歩けることを感じた。

顔を上げると頬に雪が落ち消えた。
わたしは、雪の降る街へ来たのだ。

数段に重なる雪の層が、落ちつづける雪のしっとりとした粉が、木の葉に積もる雪の重たさが、夢みたいだった。

ふと下をみると、人の足跡がいくつも重なっていた。
足跡が出来ては消えて、この夢の中にも生活があるのだと、少し寂しくなる。取り残されていく感覚と、その感覚の心地よさが同じようにある。

ねえ、ひどいよ。
なににそう感じたかは思い出せないんだけど、今日誰かにわたしはひどいことを言われて、わたしは傷ついた。

タバコに火をつけて、ぼうっと外を眺めていると、ふと父のことを思い出した。

わたしは小さい頃、タバコを吸う父が羨ましかった。

どんな時も、
「タバコ吸ってくる。」
の一言でみんなの時間を一時停止して、父がもどってからまた会話が弾む。
そんな父の力が憧れだった。

父は雪をみて、なにを感じるのだろう。

父の家は雪の降る街で、だから、雪に見とれたことがあるかもしれない。

そう思うと、わたしは父の遺伝子をちゃんと受け継いでいて、そういうものに守られている気がした。f:id:ruri_keyaki:20160217081232j:image