ADHDの日課

19歳〜。苦手な日課です。ADHD(手帳は二級) 名前欅 流了リ(けやき

昼過ぎ。

あぁここいいわぁ


窓際に座ってあなたはいう。

真鍮のキーホルダーに鍵をつけて腰につけている。

あなたが歩くとそれがなる。

どこにいるかが分かるからもう、

あなたの背中を見ながら歩くことが少なくなってきた。

わたしの聞いた質問をすぐに忘れて

尋ねても

しらん

という。

質問をすることをやめ出した

だけどあなたの応えはいつもなんだか面白いから

なんと言うのか聞きたくて

わたしはいつも

どうして?

と尋ねてみる。

なんのことか俺にはわからんけど

と、わたしの言葉を遊びながら聞き流す。

あ、また真鍮の音がした。

彼はいま真鍮のキーホルダーをいじってわたしの言葉待っている。

そしてわたしがあなたを見たら

こういうだろう。

おわったか。

と笑うだろう。

わたしはそれを聞きながら

なにも言わない。

どうして?ときいても

だってそうだろ

としか言わない人だ。

ごはんがきて

ヒーローがきた

と言った。

どうして?

と聞いたら彼はこう答えた。

おいしそうって意味。

わたしにはよく分からない。

チキンのプレートを、そう言った。

あとから

あなた何を食べたっけ?

と聞いたら

盛り付けがヒーローっぽいものだ

と応えた。

あなたの情報は少なすぎる。

会話が少なくなっていく。

分かり合えていると思うのは

一緒にいなくてもいい時間が増えるのかもしれない

あ、氷が溶けた音がした。

ガムシロップ三つをいれたアイスティを勝手にのんだから

ガムシロップをのんでるみたいでしょ?

と聞く。

彼は、

自分に対して

あぁガムシロップ久しぶりにのんだわぁ

と言った。

真鍮のキーホルダーがぐちゃぐちゃになることが

気になり出したあなたは

それに集中しだす。

それが終わったら立ち上がり

なにも言わずにお手洗いに立つ。

彼が帰ってきたら

わたしに何かいうだろうか。

さぁ行くか

と言ったなら

わたしはこう返そう。

もう一本タバコを吸ってもいい?
 

彼は違う言葉を選んだ。

帰ってきて

長いですね、おねぇさん

そう言ってからタバコを吸いはじめた。

いつも急かさないから

わたしは安心してあなたの行動を見ている。

音や気配を感じる。

彼には一つだけ癖がある。

まっすぐに瞳を見せるとすぐ急かす癖だ。

おわったか、って。

そう言うから

あなたに目で訴えかけるのは危険なのだ。

 

 

足を組換えたときに彼の足に触れた。

ごめんね

 

 

彼は

すげぇ痛かったよ

と嘘をつく。

わたしの靴の先は丸いのだ。

あなたがタバコを右ポケットにしまう。

それは帰ろうという合図だ。

わかっているけど気づかない振りをする。

わたしがまだここにいたかったという理由で。

そうすると彼はこうたたみかけた。

先お金払っとくね、

それにはこう返さなければならない。

ちょっと待って、

それを素直に聞いてからわたしの方に足を伸ばす。

早く出ようという第三のサインだ。

もう出なければならない。

わたしもタバコをしまおうか。

欅流リ