ADHDの日課

19歳〜。苦手な日課です。ADHD(手帳は二級) 名前欅 流了リ(けやき

あの子の説明。

わたしには、中学から疎遠になった、遠くに住んでいる友達が沢山いる。
その中の一人から、深夜電話がかかってきた。
最近わたしは、ずっとのんでいる睡眠導入剤が少しずつ効かなくなってきて眠れずに

ぼー・・

っと、
しているところだった。

いつもなら睡眠薬をのんだ後に話したことは覚えていないし、
呂律だって上手くまわらないから、
電話に出ないことにしている。

けれど、疎遠になった友達は沢山いても電話など、
かかってくることは珍しく、電話に出ることにした。

電話が鳴っている間は迷ったけれど、もし話を聞くだけで済むのなら、それでいい。
それから、
もし、
・・・もしわたしへの質問ならば、
「ごめんね、睡眠薬をのんでしまったから、明日かけ直すね」
と伝えればいい、
と、二つパターンを決めて、電話をとった。


・・・

「・・もしもし。」

友達は、「久しぶりだね」ということもなく、話し始めた。

わたしは、これは、一つ目に決めた電話のパターンだと分かって、話を聞いた。

恋愛の悩みの電話だった。
睡眠薬をのんだ後だったから、詳しいことは全く覚えていないけれど、彼女が「楽な関係を望んでいる」と、言っていたことだけは、朝になっても覚えていた。
電話をどうやって切ったかも、忘れてしまっていた。
もう話すことはないだろうから、どうでもいいや、と思って朝ベッドから出て、煙草を吸った。

その日の昼、昨日話した友達から、ショートメールが入っていた。
「昨日話したあと彼とのこと考えたんだけど、」から始まる、
短いメール。

昨日の話は覚えていなかったけれど、

「生きるのに必死で恋愛する余裕がない」と言って恋人と別れることになった、

と、そこにあった。

わたしは、
「「生きるのに必死で、恋愛する余裕がないんだなぁ」」と真に受けながら、
返信をしなかった。

わたしは、昨日の電話を覚えていなかったから、

「そうなんだ、彼はなんて?」

とか、そういうメールを返すのは、何だか野次馬みたいだと思ったからだった。

けれど、友達はわたしが電話の内容を忘れていることを知る筈もなく、勿論睡眠薬をのんでいることも知らない。

一週間後、

「どうして返信くれないの?」

と友達からまたメールがはいってきた。

わたしはそのメールにも、返すことが出来なかった。

電話の内容を覚えていないわたしに

「彼氏と別れた」

と報告したことを知ったなら、
友達は自分が一人芝居をしたことを同時に知るだろう。

そんなことばかり 頭を巡った。

頭が疲れて考えるのをよそうと決め、
そのあとの行動はいつもどおり。

いつもどおり。


わたしは「ごめんね。」と、
一言だけの、嘘つきなメールをして、
その友達を着信拒否のリストに追加した。

これでいつも通り。
これがいつも通り。

平和な毎日が、また訪れる。

ごめんね。

わたしはまたいつも通り居心地のいい、
いつも通り傷つかない毎日に戻ることが出来た。

欅流リ